ミラノ雑感

言葉を使うということに向き合う場所。

ジャンニ・ロダーリの手紙

去る10月23日は、ジャンニ・ロダーリが生きていたら100歳の誕生日を迎えていた日だった。言葉を通じて私たちに素敵なプレゼントを残してくれた童話作家。色々なメディアが、彼について話したり、書いたりしていたけれど、この現代アートを扱うデジタルマガジンDoppiozeroに載っていた、ロダーリの手紙が秀逸だった。こんな手紙が書けたらいいのに、と思う。

 

Caro Einaudi, 

ho ricevuto le «filastrocche» e tocco il cielo con tutte e dieci le dita. Devo proprio dirle grazie dell'edizione bellissima, molto più bella di come potevo aspettarmela. Il libro rallegra piccoli e grandi solo a sfogliarlo e ispira una gran simpatia, credo di poterlo dire come se si trattasse del libro di un altro. In famiglia mi guardano e trattano con accresciuto rispetto, e per la prima volta posso chiudere la porta del mio studio (anche se ci vado a leggere un libro giallo). Insomma, ho ricevuto i calzoni lunghi: se ha dei nemici, disponga di me. 

Suo,
Gianni Rodari» 

 

親愛なるエイナウディ、

『わらべうた』を受け取って、10本すべての指で空に触れている気分だ。こんなに美しい、僕の想像よりもずっと美しい版を出してくれて君にお礼を言わなくちゃならない。本は、ページをめくるだけで子どもも大人も楽しくなるし、楽しい人間にしてくれる。他の人の著書だとしても同じことが言えると思う。家では、家族が僕のことを今までにない尊敬の念をもって扱ってくれるようになって、初めて、自分の書斎のドアを閉められるようになった(探偵小説を読みに行くのだけれど)。とにかく、ぼくは大きな長靴下を受け取ったんだ。もし君に敵がいるようなら、僕に言ってくれよ。

あなたのジャンニ・ロダーリ